
東洋では、香料といえば
「
香木・沈香(じんこう)」が第一に挙げられます。
ただし、今回は、
比較的多くの人が知っている
「香木・白檀(びゃくだん)」から、お話しすることにしましょう。
(「
沈香」については後日お話いたします。)
「檀」とは、中国語で「人間の役に立つ善い木」という意味があるのだとか。
(たしかに、仏壇や家具の材料で、「黒檀」「紫檀」というのがあります。)
「白檀」は、ご存知のように、淡黄色から褐色をしている(写真)、甘くさわやかな香りを発する木材です。
洋名は「サンダル・ウッド」。
扇子の材料としても、知られています。
この木、特徴的なのは「寄生植物」だということ。
要するに、他の植物に寄生し、養分を吸い取って生きているのです。
太平洋諸島に広く産する「ビャクダン科の常緑中香木(高さ6~9m)」で、多くの種類が存在するといいます。
それらの内、インド南部のマイソールで採れるものは最上級で、特別に「老山(ろうざん)白檀」とか「赤栴檀(しゃくせんだん)」と呼ばれ珍重されています。
白檀は,香木としてだけでなく、蒸留して「白檀油(サンダルウッド・オイル)」としても用いられます。
殺菌・利尿作用があるので、鎮痛、健胃、解熱、食欲増進など、薬用に広く利用されているということです。
**「白檀」の香りそのものを楽しむには、刻み状のものを香炭などで焚く方法が、一番でしょう。
当店では、時間が有れば、香炉を使っての焚き方もお教えいたします。
簡単に線香で楽しみたい場合は、
春香堂の「
沙羅双樹」などがお勧めです。