国宝「古事記」

一昨日、名古屋に出掛けたついでに、名古屋市博物館でちょうど開催されていた「古事記1300年・大須観音展」を観てきました。写真は、その入館チケットです。
昨年、編纂1300年を迎えた、「古事記」の最古の写本が展示されていました。
確か、小学校の

社会の時間にも習ったんじゃないかと思うのですが、国宝の指定も受けている最古のそれが、お隣の愛知県に所蔵されているとは知りませんでした。

今回の展覧会では、大須観音が所蔵する10000点を越える平安~室町時代の仏書・典籍類の内、「古事記」を含む国宝4点と、重要文化財16点、その他合計194点が展示されています。

会場に入ると、展示されている書物の量に圧倒されて、無学な私は説明書きを読むだけで疲れ果ててしまいましたが、一緒に観て回った薫友会のIさんは、古文書の勉強をされていらっしゃるそうで、大変楽しそうでした。

大須観音所蔵の「古事記」の、書写された年が明らかになった時のエピソードには、感銘を受けました。確か明治時代の新発見だったと記憶していますが、製本前になされた、書写時の覚書(メモ)から明らかになったそうです。
分かり辛いかも知れませんが、入館チケットの写真見開きの下部に10文字程度の文字が覗いているのがお分かりいただけるでしょうか。実物を見るとはっきりと文字の3/4ほどが確認できます。
この本自体には書写年が記載されていないので、ずっと謎とされていたそうですが、発見者は、ここに書写者の年齢が書かれているのを見つけたというのです。本来製本時に隠れてしまう部分がちょっとだけ顔を出していた訳です。なんというロマンでしょう。見つけたときの興奮が伝わってくるようです。・・・ただし、それだけでは、「古事記」の書写年は分かりません。そこで、その人は、大須観音所蔵の書物の内、同じ書写者の写本を徹底的に調べ上げ、書写年と年齢が一緒に書かれているものを見つけて、生年を特定し、この「古事記」の書写年も特定され、日本最古のものと認定されたそうです。何という執念でしょう。学者魂とでも言うのでしょうか・・・。

書写されたのは、南北朝時代。「最古」といえども、640年ほど前のもの。
それ以前の写本は、1300年前の原本は、・・・きっと、どこかで息を潜めて、発見を待っているものもあるのでしょう。

展覧会は、あと数日。1月14日までです。興味のある方は、足を運んでみては。




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