名香「月の下風」

昨日(4月21日)の徳川美術館での「名香鑑賞会」で聞くことのできた名香三種の内のひとつ、名香「月の下風」をご紹介します。
写真撮影は許されませんでしたので、ブログの写真は平成8年の徳川美術館での「香の文化」展の図録のものです。

名香「三吉野」「岑の松」に続いて、名香「月の下風」(木所:羅国)を鑑賞しました。

香を聞く前の若宗匠のお話によると、「羅国」のなかでは「中の中」と判じられている物とのこと。

さて、出香です。やっと気持ちも落ち着いてきました。
・・・夜風が通り過ぎてゆくような涼しげで、軽やかな香りでした。

「道具飾席」で拝見した本体は、比較的油分の少ない物のようでしたが、巨大なもの。計ったわけではありませんが、長さ40㎝位はあったと思います。(もちろん、「蘭麝待」の156㎝には及びませんが・・・)
「香の文化」展図録の図版解説によると重さ1545.0gということですので1㎏超、昨年鑑賞した中で最大だった「一声」(128.6g)の10倍以上です。(ちなみに「蘭麝待」は11.6㎏。別格です。)

図録の解説によると「(前略)香木としては大木である。(中略)羅国は香道の木質分類、『六国(りっこく)』による名のひとつで、沈香の一種である。(中略)羅国とはシャムの地名と伝えられる。(中略)この(中略)香木は19世紀初めに作成された蔵帳によって、徳川家康が所持し、その九男・尾張徳川家初代義直に遺産として贈られ、その後同家で貴重な品として伝来したことが知られる。」ということ。

いつもながら、これらの香木を最良の状態で保存して下さっている尾張徳川家に対し感謝するばかりです。




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