名香「三吉野」

四代・和佐吉

2012年04月22日 10:03

昨日(4月21日)の徳川美術館での「名香鑑賞会」で聞くことのできた名香三種の内のひとつ、名香「三吉野」をご紹介します。
写真撮影は許されませんでしたので、ブログの写真は平成8年の徳川美術館での「香の文化」展の図録のものです。
「香の文化」展図録の図版解説によると「銘の付けられた著名な香木は、数を区切って、『十種名香』『追加六種』『六十一種名香』『百二十種名香』『二百種名香』などと呼ばれる。『山上宗二記』には、『十種名香』として、『太子、東大寺(蘭麝待)、逍遥、三吉野、中川、古木、紅塵、花橘、八橋、法華経』をあげている。」ということ。
その、「十種名香」のひとつ名香「三吉野」(木所:伽羅)を、まず初めに鑑賞しました。

今回、初めて名香席のお手前をされる志野流香道若宗匠より「この香木は古来、上の上と判じられている伽羅で、五味の内『しおからい』以外の四味を持ち、かの『蘭麝待』に次ぐ名香の一つと伝わっています。」というお話がありました。

初めての名香席での手前ということで、若宗匠の緊張感も伝わってきます。

さて、出香です。いつもながら、初めの香炉の扱いは、手が震えます。
今日は八卦図をあしらった青磁の小振りな香炉です。銀葉は、通常用いられる物より一回り大きくて縁の無い古式の物が使われています。初めて見る物でした。

・・・なんと「たおやかな」香りでしょう。香りの強さはさほどではありませんが、確かに、多くの香り(味)が、調和しているような気がします。さすがに「十種名香」の一つです。
「道具飾席」で拝見した本体は、小振りですが、昨年鑑賞した「中川」(「十種名香」の一つ)よりも大きい物でした。
「香の文化」展の図録によると、重さは64.5gということです。(ちなみに「中川」は33.0g)
この香木も、ちょっぴり減ってしまいました。


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