「香道瀧の絲」

四代・和佐吉

2012年04月20日 19:02

平成12年の豊田町(現・磐田市)香りの博物館での「姫様の香り展」で観ることのできた「香道瀧の絲〈館蔵品〉」をご紹介します。
写真は当時の図録のものです。
以前(H23・6・6)ご紹介した「香道秘伝書」が、版本として初めての
香道書ということですが、この「香道瀧の絲」は、その65年後に出版された物です。
香道具の図もたいへん緻密に描かれています。漢字には読み仮名が振ってありますので、庶民にも浸透して言ったのでしょうか。

「香道の歴史辞典(神保博行著)」を見ると「『享保一九甲寅年(1734)』正月刊、大枝流芳著。上・下二巻。『米川流香道具図式』、『同流十組香包紙図式』、『盤立物寸法図式』、『源氏香図および古組十品』を収録。」ということ。
図録解説では「(前略)米川流は東福門院(二代将軍秀忠の五女和子:後水尾天皇の中宮)の香道の指南役と言われる米川常白の流派。(中略)大枝流芳は(中略)江戸中期の数寄者で享保期に大阪で活躍。香道、煎茶道、華道、博物学などに多彩な著述を残す。」とあります。

このような版本、発行部数は定かでないものの、多様な物が摺られていたようですので、江戸中期、香道はますます発展して行ったのでしょう。
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